【2018年12月掲載】
平成20年12月に耳鼻咽喉科ふるかわクリニックを開設し、平成30年の12月で10周年を迎えることができました。
おかげさまで乙訓地区、京都市内のみならず近畿一円から多数の患者様に受診して頂き、3万1千人の方の治療を担当させて頂けたことは望外の喜びです。
必要に応じて日帰り手術を行い、アレルギー性鼻炎、花粉症に対するレーザー手術は1700件を数え、数多くの鼻副鼻腔内視鏡手術および鼓膜形成術を行い良好な成績を得ることができたため4編の論文として学術誌 に発表いたしました1)∼4)。
また向日市の6校の小学校と3校の中学校の校医を受け持ち、学校検診のみならず、学校保健会で講演を行うなど、地域のために微力ながら貢献できたことを大変嬉しく思っています。
これも地域の皆様をはじめ、ご紹介を賜ります医師会の先生方、学校関係者、そして何よりも未熟な私を支えてくれここまでクリニックを発展させてくれたスタッフの方々に対して感謝が尽きません。
耳鼻咽喉科ふるかわクリニックとしてはまだ10年ですが、向日市の現在の地に古川医院として耳鼻咽喉科 の医院を設立したのは、私の父である古川強(写真1)であり55年の歴史があります。
私が幼少の頃に京都市内から引っ越してきたのですが、幼い頃の記憶では辺り一面田んぼと畑だけしかなく、まだ向日市になっておらず医院の所在地は乙訓郡向日町字殿長19番地でした。
住居併設でしたが、医院も小さくて現在のクリニックの約半分程の規模でしたので、10年前私がこの地で専門性が高くて患者様に快適なクリニックを造るためにはどうしても建て直す必要があると思い、医院と住居部分全体の土地を使って新築し、現在のクリニックが誕生しました。
父が院長をしていた古川医院ですが、残念なことに昭和62年に父が亡くなりました。
私は当時まだ3年目の医師(写真2)で病院勤務が終わってから夜間診療を週3回やっていたのですが、父は私に修行と経験を充分積んだ専門性の高い医師になって欲しいという希望を強く持っていたため故人の言葉に従い、古川医院を長期休診することにして、アレルギー、炎症の研究のためにアメリカに留学しました。
帰国後は母校である関西医科大学を中心 に臨床に専念して准教授・科長としての役目を果たした後に開業する決心をいたしました。私が大学で勤務していた20数年の間に耳鼻咽喉科の治療は大きく進歩しました。その間に大学で習得できた手技により日帰り手術をはじめ低侵襲で治療効果の高い新しい治療を地域の皆様に提供できる知識と技術を習得することができました。
今後は手術を含む高度な医療を提供しながら、最近増加を続けていて若年化しているスギ花粉症・アレルギー性鼻炎を中心とするアレルギー疾患の治療にさらに力を入れ、根治を目指して免疫療法などの新しい治療を積極的に提供していきたいと考えています。
2018年は皇帝ペンギンのコウペンちゃんが大ブレークしました。
コウペンちゃんはご存知のように何でも肯定してくれるかわいい癒し系キャラのペンギンです。そのほかにも世界一有名なペンギンのピングーなど大好きな方も多いことと思います。
ペンギンはヨチヨチ歩く愛らしい姿が印象的ですが、水中では時速35kmというものすごい速さで機敏に泳ぐことがでます。ペンギンのことを漢字では人鳥と書くように、人と同じく集団生活をして忍耐強く、過酷な環境のなかで大切に子供を育てます。また集団の中で遠方でも家族の声を聴き分けられる素晴らしい聴力を持っています。
私たちがペンギンに魅了されたのは2006年のアカデミー賞を受賞した大ヒット作、ハッピーフィートを家族で観に行ったのがきっかけです。
ペンギンのようにみんなに優しく、子供を大事にする、機敏に機能する、地域と協調性があり愛されるクリニックになるようにとの願いを込めてペンギンをクリニックのシンボルキャラクター(ペンギンのデータ)にいたしました。なぜツインで頭に毛があるの?と思われるでしょうが、それは私が子供の時に大好きだった、オバケのQ太郎とP子のイメージを入れたかったのがその理由です。
現在クリニックは医師1名と看護師5名、スタッフ20名となりました。
あっという間の10年でしたが地域の皆様に育てて頂いた御恩を忘れることなく、今後も今まで以上により最新の良質な医療の提供を目指し、さらに地域の皆様に愛されるクリニックになれるよう院長はじめスタッフ一同、努力していく所存です。耳鼻咽喉科ふるかわクリニックを今後とも宜しくお願い申し上げます。
1)アレルギー性鼻炎に対する外来手術療法
耳鼻臨床102(4):322-323,2009
2)アレルギー性鼻炎に対するCO2レーザー焼灼術についての検討
耳鼻臨床106(4):309-314,2013
3)Day Surgeryとしてのレーザー手術
アレルギーの臨床33(12)39-432013
4)診療所における接着法による鼓膜形成術の検討
耳鼻臨床111(12)2018 in press
【2018年12月掲載】