風邪が治る頃に黄色くてにおいのある鼻水が出てくることがあるのも、急性の副鼻腔炎です。 ところがほとんどの人は、自分では副鼻腔炎だとは気づいていません。 軽度なら症状が自然に治まってしまうこともあるので、「風邪が長引いているのかな」と思っている人が多いのです。
しかし、放置していて慢性副鼻腔炎になると、いつも鼻がつまった状態になったり、膿(うみ)のような鼻汁がたまったり(蓄膿症)、さらには頭がずーんと重い感じや倦怠感がしたり、においがわからない嗅覚障害になったりして、日常生活にも影響が出るようになります。
鼻汁を定期的に取る処置や、抗生物質を飲んでも効果がないか、効果が不十分な場合、鼻茸(鼻ポリープ)が出ている場合には、内視鏡を使用した鼻内副鼻腔手術を行います。耳鼻咽喉科ふるかわクリニックでは、この内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を行なっています。
内視鏡下副鼻腔手術(ESS)は、鼻の穴から内視鏡を入れ、TVモニター画面を見ながら、鼻の中の手術を行う方法です。
管についた極小カメラによって、鼻腔の中を見ることができるため、切除するのは病気を治すために最低限必要な部分のみです。
このため、以前行われていた、鼻の中を見るために唇の裏を切ったり、上顎の骨をけずったりして顔にメスを入れなければならない鼻根本術よりも、術後のしびれや痛みがおこる可能性がはるかに少なく、頬の晴れや痺れは起こりません。
また、鼻のそばにある眼や脳といった大切な期間を傷つけないよう、最新のCCDカメラを使って、安全を確認しながら手術を行なっています。
麻酔は二段階で行います。
まず、手術の30分前に麻酔ガーゼを鼻の中に入れます。そして、手術の直前に痛み止めの注射を鼻の中にします。
手術時間は、片側で20分程度、両側で40分程度です。 手術が終わってから、1~2時間、ベッドの上での安静と点滴が必要です。